「不安定で未完成で壊れそうな」そんなモノ・コト・ヒトが好きだ。
例えば二輪車。
オートバイや自転車はそれ自体はとても美しいけど、単体では自立すらできない不完全なもの。人が乗ってアクセルを開ける、またはペダルを漕いで動いてる時が完成形。
旅のスタイルも予定は未定がいい。
決めたルートは外れるものだし、時間なんて適当。
キチッキチッと立てた予定どおりの人生を歩んでる人にあんまり魅力を感じない。
昔、スズキのキャリーという軽のバンに乗っていた。
親父から5万で買った車。
大雨の日に走行中、左のワイパーが吹っ飛んでしまい、シングルワイパー。
右のミラーも腐食して取れそうだったので、ガムテと針金でくくりつけてあった。
一応手動サンルーフ付きだったが、サンルーフを固定するロックが壊れていたので、ブレーキを踏むとサンルーフが勝手にオープンになってしまう。(笑)
雨の日にブレーキをかける時は片手でサンルーフを押さえて開かないようにブレーキをかけないと勝手に開いて車内がズブ濡れになってしまう。
そんなポンコツな車だった。
今思えばそんなポンコツが大好きだった。
ポンコツな車に寝袋だけ積んでいろんなところに行った。
いつ止まるかわからないような不安定でぶっ壊れそうなモノのほうが、なんかワクワクする。
なんか今でもそれは変わっていない。
安心っていいけど、なんかすごく退屈。
常にぶっ壊れる一歩手前でギリギリのとこを未完成なままワクワクしながら歩いていたい。
秋晴れの中、オートバイを走らせながらそんな事を考えてた。