ツーリング中バイクが壊れた。
走行中いきなりセキュリティが鳴り始めたのだ。
電装系のトラブル?
場所は長野の山中。
携帯は圏外。
ここで止まったらヤバイ!
なんとか国道出るまでもってくれ!
セキュリティ鳴りっぱなしでそのまま走行。
なんとか国道沿いの道の駅までたどりついた。
セキュリティを大音響で鳴らしながらパーキングに突入。
「なにごとか!」と大注目を浴びながらバイクを停めてエンジンを切り、セキュリティをOFFにする。
とりあえず「ほっ」として、缶コーヒーを買って休憩。
トラブルの原因がわからぬままだが、イグニッションを回してみる。
「!!!」
電源が入らない!
シートを外し、バッテリーあたりをゴニョゴニョいじってるといろんなバイカーが声をかけてくる。
やれ、ターミナルだ、やれ、レギュレーターだと、みんな知ってる限りの知識で俺にアドバイスしてくれるが、なにをやっても電源は入らないまま。
あきらめてロードサービスに電話を入れる。
まだお盆休み中なのと、山中の道の駅という事もあり、到着に小1時間かかるらしい。
やんややんやのにわかメカニックの人たちは一段落したので、バッテリーをはずして原因を探ってみるがやはりダメだ。
そうこうしてると、麦わらのテンガロンをかぶったチェックシャツのにぃちゃんが声をかけてきた。
「壊れちゃったんすか?」 「うん、イグニッションが入らない」と俺。
「これ、’02のローライダーっすか?」 「うん、そうだけど」
「俺のバイクも’02なんで同年代すね」
と、テンガロン君 。テンガロン君のオートバイは’02のハーレー・エレクトラグライド。
しばらくテンガロン君と話し込む。
イントネーションに聞き覚えのある訛りがある。
「おニィさん、どこから来たの?」と聞いてみる。
「俺、今は豊田っすけど、出身は函館っす」
あー、やっぱり。北海道訛りだ!
函館から名古屋へ来て、豊田で働いてるんだけど、ハーレーで週末ごとに長野に通ってるうちに長野と馬に魅せられてしまい、今月で豊田のアパートを引き払い、長野に引越し、牧場で働きながら暮らすらしい。
牧場で働くなんざわざわざ北海道から本州に来なくても十分できそうな気がするが、北海道は冬が長すぎて鉄馬に乗れる期間が極端に短すぎるからだそうだ。
なるほど、納得。
「鉄馬も最高ですけど、生馬も最高ですよ、どうですか乗ってみませんか?」
とテンガロン君が指差す方を見ると馬が一頭。
彼は毎週末ここの道の駅で体験乗馬の手伝いをしているらしい。
ロードサービスから連絡もないので、時間つぶしに乗ってみるか、と思い、生まれて初めての乗馬体験をする。
こんなとこで初乗馬になるとは(笑)
道の駅の駐車場を軽く一周するだけの初乗馬だったが、なるほど、ハーレーの事を鉄馬とはよく言ったもんだと思う。
馬のギャロップ感とハーレーのVツイン独特の3拍子、たしかに似てる。
手綱の扱いを簡単に教えてもらい一人で走らせてみたが、なかなか楽しかった。
馬から降りるとナイスタイミングでロードサービスの積載車が駐車場に入ってきた。
テンガロン君に名前を聞く
「エビちゃん」って呼ばれてます。とテンガロン君。
「またいつかどこかで会いましょう!お気をつけて。ハーレー早く直るといいですね」
エビちゃんが右手を差し出す。
握手をしてエビちゃんと別れ、積車にハーレーを積んで道の駅を後にした。
いつかどこかで
SNS流行りの昨今、FacebookやTwitterのアカウント交換していればいつでも連絡は取れるんだけど、あえてお互い聞かないのがルール。 なんかいいね。
いつかどこかで
いつかどこかで又縁があったら会いましょう、函館のエビちゃん。
てか、俺のバイク、いつ直るんやろ、、、(ToT)
これが不思議と会うんですよね。
中国成都で知り合った米国人と、バンコクのワットポーの中の曲がり角でバッタリとかありましたもんね。
あえて聞かない。
名刺も持たない、交換しない。
軽装へシフトしてます。
うんうん、縁とはそーゆーもんだよね(^^)